2013年09月12日

心の窓を閉じるコミュニケーション  正直、誠実な会話とは? 親子の会話例 

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心の窓を閉じるコミュニケーション

「正直、誠実な態度」について、もう少し説明します。
臨床心理学の用語に「二重拘束」(ダブルバインド)というものがあります。

会話の最中に、前に言ったこととあとで言ったことが矛盾する。あるいは、心の中にあることをストレートに言わず、言葉の背後に別の意味が隠されている。

こういうコミュニケーションによって、相手の気持ちを二重拘束することがあります。一般的な会話例を示しましょう。
お父さんと小学生の太郎君が2人で遊園地に行ったときのことです。

[例1]

お父さん「そろそろお腹すいたね。お昼ご飯何が食べたい? 何でもいいよ」

太郎「そうだなー。ぼく、ラーメンが食べたい」

お父さん「ラーメンか。ラーメンならインスタントラーメンが家で食べられるだろう」

太郎「……」

これが二重拘束です。
太郎君は、お父さんが「何でもいいよ」と言うから、「ラーメンが食べたい」と言ったのです。なのに「ラーメンはだめだ」と言われた。太郎君は心の中で「だったら聞かないでよ」と思っているかもしれません。

それにお父さんは、「ラーメンならインスタントラーメンが家にあるからダメ」と言ったけれど、一カ月前に一緒に出かけたときにラーメンを食べています。太郎君は、「前はよかったのに、なぜ今日はダメだって言うんだろう」などと戸惑います。

じつは、お父さんは、昨日の夜ラーメンを二杯食べたのです。だから今日は食べたくないのです。それを正直に言えばいいのに言わない。

こうしたコミュニケーションは意外に多いものです。とくに、子どもや部下など、自分より弱い立場の人間に対して行うことが多いのですが、これによって信頼関係がこわれます。

太郎君は考えなくていいことを考え、今後お父さんとのコミュニケーションを躊躇するようになるでしょう。
では、次に正直誠実なコミュニケーション例をあげましょう。


[例2]

お父さん「そろそろお腹すいたね。お昼ご飯何が食べたい? 何でもいいよ」

太郎「そうだなー。ぼく、ラーメンが食べたい」

お父さん「そうか、ラーメンか。じつは、お父さん昨日の夜ラーメン食べたんだ。だからラーメン以外のものがいいな」

太郎「そうか、昨日ラーメン食べたんだ。じゃあオムライスにしようか」

お父さん「オムライスか、いいね」

太郎「ぼく、この遊園地のなかでオムライスのおいしい店知ってるんだ。そこ連れて行ってあげようか」

お父さん「うん。じゃあそこに行こう」

これが良好な信頼関係に基づくコミュニケーションです。お父さんが心の中にあることを正直に言ったので、太郎君の戸惑いもありません。

実は、二重拘束のコミュニケーションの多い家庭に心の病気になる子供が多いと言われます。それほどまでに二重拘束は相手を戸惑わせるものなのです。

心のなかにあることを正直に言う
親子の例をもう一つあげます。お母さんと幼い娘との会話です。

娘「お母さん、キャンディー食べていい?」

お母さん「また、そんなこと言って」

これも二重拘束です。
子どもはお母さんに食べていいかどうかを正直に聞いています。それに対する答えは、イエスかノーか二つに一つのはずです。

「食べていいよ」あるいは「いまはダメよ。おやつの時間じゃないでしょ」。このいずれがでなくてはいけません。

「またそんなこと言って」では、子どもはどうしていいかわかりません。娘は、お母さんが怖い目をしているから自分が怒られていることがわかりますが、答えは言葉で正直に言うべきです。

こういうコミュニケーションが人間関係を壊します。

 社内会議の例で見てみましょう。

(悪い例)

本社のAさん「では今、企画の説明をさせていただきました。何かご意見はありますか?」

支店のBさん「どうして、こんな企画が出てくるのかわかりませんね。本社は何を考えているのでしょうね」

他のメンバー「……」
(言葉が出ず、気まずい雰囲気)

(良い例)

本社のAさん「では今、企画の説明をさせていただきました。何かご意見はありますか?」

支店のBさん「そうですね。このAプランについては賛成ですが、Bプランは反対なんです。なぜなら同業他社の企画との差別化ができてないので得意先には受け入れられない可能性があると思います。皆さんはどう思いますか?」

Cさん「そうですね。私の意見は、……」
(多くの意見が出て会議が盛り上がる)

 この悪い例のBさんのセリフは、積極的な意見交換をする態度になっていません。ただ不満な気持ちを代弁するセリフを言ってしまっています。

 よってコミュニケーションが途切れてしまいます。

上司が部下に対して、「何回言えばわかるんだ」などと言うこともあります。

上司が「田中君、3か月連続で売上げ達成できていないじゃないか。何回言ったらわかるんだ」と言うのも二重拘束です。

言葉通りにとれば、上司は「何回言ったら」と回数を聞いています。でも、実際は、何回言ってもわからない、君はダメなやつだと言っているわけです。部下は答えようがありません。

あなたが「何回言ったらわかるんだ」と言って、それに対して部下が「はい、課長、あと3回言ってもらったらわかります」などと応えれば、あなたは何をふざけたことを言っているんだと思うことでしょう。
だから、田中君は黙るしかありません。これではコミュニケーションになりません。

言葉の背後に別の意味があって、それを察しなければならないようなコミュニケーションは、せっかく開いている心の窓を閉じてしまいます。

コミュニケーションは、心のなかにあることを正直に誠実に言うことが大事なのです

小森康充


小森コンサルティングオフィス at 03:59コメント(0)トラックバック(0)  このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

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小森康充
営業トレーナー:小森康充

小森 康充
(こもり やすみつ)

小森コンサルティングオフィス代表
人材育成トレーナー

高い営業能力と顧客コミュニケーション能力により常にハイレベルな売上目標を達成。

世界的エクセレントカンパニーにおいて、アジアパシフィック最優秀マネージャー等数々の表彰を受ける。

後に世界No.1サクセスコーチであるアンソニー・ロビンズのコーチングスキルを習得。

卓越した営業スキルに世界No.1のコーチングスキルをミックス。独自のスキルを確立。

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