伝説の灘校国語教師
2013年10月08日
「奇跡の教室」伊藤氏貴著 (小学舘) エチ先生と銀の匙の子供たち 伝説の灘校国語教師・橋本武 おすすめ書籍の紹介
「奇跡の教室」伊藤氏貴著 (小学舘)
エチ先生と銀の匙の子供たち
伝説の灘校国語教師・橋本武の流儀
を読んでいる。
たいへん面白いおすすめの書籍である。
橋本武氏、現在101歳。戦後公立校のすべり止めと見られていた灘中学で、文庫本「銀の匙」だけを3年間かけて読む国語の授業を始める。虚弱な少年の成長物語を、横道にそれながら丁寧に追体験していく。
橋本授業を受けられたのは、30年間でわずか1000人。そして「銀の匙」授業3巡目の昭和43年卒業組は、「私立初の東大合格日本一」に。実社会でも教科書なき道を切り拓いていく。
「燃え尽きない一生学び続ける好奇心」を授けた授業を、橋本武自身と教え子たちへの1年間に及ぶ取材から解析。スロウリーディング・ブームの火付け役となった感動のノンフィクション、遂に文庫化。
私がチェックしたポイントは、
1:受け取る感性が人生を豊かにする。
生徒の興味で脱線していく授業。「わからないことは全くない」領域まで、1冊を徹底的に味わい尽くす、崇高な「遅読」「味読」(スロウ・リーディング)
2:1つのものを深くまで研究し尽くしたことはそのこと自体が自信につながっていくのである。
3:「味読」というのは、その人の世界に深く入っていって、それを自分の世界にまで引き付けていく。読書自体が体験になる読み方である。
4:社会に出て「自分はこんな人間だ」とか「こんなことがしたいんだ」と表現する力も国語です。国語は「生きる力」と置き換えてもいい。
5:自分自身の文字で書いたもの、まとめたものでなければ身につかない。
6:個性というのは、持続する関心である。最低でも半年、自分の興味を定点観測することで、自分の方向性や新しいテーマ、そして何より、いままで知らなかった自分の個性に出会えるはずです。
7:正解よりも自分の興味に忠実であれ
8:ある一つの言葉にこだわることで、その背後に大きく広がっている概念や感覚や考え方と、つながってくる。
9:遊びと学びは相反するものではないことを生徒に伝えたかった。
「奇跡の教室」伊藤氏貴著 (小学舘)
エチ先生と銀の匙の子供たち
伝説の灘校国語教師・橋本武の流儀
すべてのビジネスマンに読んでいただきたいお薦めの書籍である。