2011年06月04日
「原発のウソ」(小出裕章著) お勧め書籍

原発のウソ (扶桑社新書)
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「原発のウソ」京都大学原子炉実験所 助教 小出裕章 扶桑社新書
を読んでいる。
たいへんわかりやすく納得できる内容である。
著者の小出氏は、37年間も原子力の研究をしてこられ、原子炉の危険性に気付き、国民の生命を守るため、原発反対運動をしてこられた。
ところが、国策である原発推進に異を唱えたことで出世できず異端児あつかいをされてきた。
言うまでもなく危険な原発を推進するため政府、経済産業省、電力会社、御用学者、マスコミが癒着してきたことで真実を語る小出氏の声は消されてきたのである。
しかし今回の福島原発事故で、今までの安全神話がウソであったことが明るみに出た。
読者諸氏もお気づきのように、福島原発事故の一連の政府、原子力安全保安院、東京電力、マスコミの報道は二転三転し全く信用できるものではなかった。
それもそのはず、原発推進において、我々国民の生命の安全など政府、電力会社、経済産業省は何も考えず、何の安全対策もとられてなかったのである。
この期に及んでまだ原発を推進しようとするがために、福島原発事故がいかに甚大であるかの真実の報道をせず、「心配ない」、と過小評価して報道しているのである。
この本を読んでもらえれば、福島事故の現状がいかに危険な状況か、そして我々国民は、放射能から身を守るためには、何をしないといけないかが明確に書かれています。
また政府、東京電力、マスコミがいかに真実を国民に伝えてないかも理解できます。
私がこの本で新たに発見したポイントである。
1)安全な被爆量など存在しない。
放射能は人間の生命の元のDNAを破壊する。よって1ミリシーベルトでも健康被害は出る。これはアメリカ科学アカデミーの委員会(BEIR)が発表している。ところが日本の御用学者はいまだに「何ミリシーベルトでは健康被害はない。」等のウソをマスコミで述べている。
我々はこのような御用学者のウソを見抜く眼力を持ち合わせないといけない。
2)日本のすべての原発54基を停止しても電力は困らない。
我々国民は、原発を止めると電力が足りなくなる、とマスコミ報道で理解している。
ところがこれはウソだとのことです。
(小出氏の著書170ページから引用)
「確かに日本の電気の30%は原子力ですが、発電設備全体からみると実は18%にすぎません。なぜ原子力使用量が30%に上昇しているかというと、原子力発電所の「設備利用率」だけをあげて、火力発電所を休ませているからです。原子力発電所を全部とめたとしましょう。
何も困りません。火力発電所が復旧し。その稼働率を7割まであげたとしたら十分まかなえるのです。それでも火力発電所の3割は休ませておける余裕があるのです。日本にはそれだけの発電所があるのです。(中略)日本の水力発電所、火力発電所、原子力発電所、自家発電を合わせた発電設備の総量は、100万kwの発電所に換算すると270基分あります。」(引用ここまで)
なんと政府、電力会社から我々国民はウソをつかれていたのである。そういえばあれだけ騒いだ東京都の計画停電は、ほとんど実施されなかった。
東京都民、企業は一生懸命節電をした。私も微力ながら極力電気を消して生活した。
しかしその必要はなかったわけである。「原発は必要ですよ」と国民に思い込ませる政府、東京電力の茶番だったわけである。これに対しては政府、東京電力には正当なクレームをつける必要がある。
3)放射能は若ければ若いほど死ぬ確率が高くなる。
乳幼児から小学生、妊婦は、最優先で被爆から救わなくてはならない。
その対策が今の政府にはできていない。文部科学省の福島県の小学校の安全基準が3.8ミリシーベルト。これは明らかに危険水域であり1ミリシーベルトに変更すべき。放射能の拡散にあわせて安全基準を甘く変更している政府の発表は愚の骨頂。
以上 この他にもたいへん参考になるポイントが多く書かれています。
政府、電力会社の発表にはない真実が小出氏の書籍「原発のウソ」には書かれています。
すべての日本人が熟読する必要のある書籍です。感謝!