2012年08月17日
「図解 大阪維新とは何か?」 大阪府市特別顧問 堺屋太一氏、上山信一氏、原 英史氏 著(おすすめ書籍の紹介)
図解 大阪維新とは何か
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今週は、盆休みで東京でリラックスさせてもらっている。年間200回の講演、企業研修で、ほぼ毎日が研修、移動となりクライアントとの打ち合わせのアポイントも2月、3月後になる状況である。それはさておき、
「図解 大阪維新とは何か?」 大阪府市特別顧問 堺屋太一氏、上山信一氏、原 英史氏 著 を読んでいる。
この本は、「大阪維新の会」代表で大阪市長の橋下徹氏、「大阪維新の会」幹事長で大阪府知事の松井一郎氏、の大阪府市統合の大阪都構想の運動の目標と真意をわかりやすく理解できる本である。大阪府市の特別顧問の3名が共著でわかりやすく書かれている。
ポイントは、
大阪維新が目指すのは、社会の仕組みを変えること。(橋下徹 代表)大阪から日本の改革をすること。
日本では過去 四半世紀に17人の総理大臣が生まれ、共産党を除くすべての政党が一度は政権に参加しました。各政党は様々なマニュフェストをだし、官僚は様々な法規を作りました。しかし経済、国民生活は一向によくならない。
ポイントは、この国の形(体制)と気持ち(理念)を変えなければだめなのです。
本書の構成は、
第一章 大阪維新の目的
第二章 大阪都構想の本質
第三章 改革の鍵は地方自治法
第四章 公務員制度改革のねらい
第五章 「教育改革」の構造
第六章 「電力改革」の核心
第七章 大阪維新の成長戦略
第八章 大阪10大名物創り
本書の内容は、まず大阪府と大阪市の二重行政がいかに非効率なことになっているかを説明しています。
今までは大阪府と大阪市にそれぞれ、大学、病院、体育館、水道事業、公営住宅、上海事務所、保証協会が二重にあったのです。そしてそれぞれが協力せず、対立構造にあるという。
我々国民からみると、「こんな税金の無駄使いをよくも長年やってくれたものだ。」という驚きの事実です。この無駄を橋下市長と松井知事は改革しようとされています。私は40年以上大阪府民で今は東京都民ですが、実家は大阪の八尾市にあります。この大阪都構想には、全くの大賛成です。多くの大阪府民がそうでしょう。
組織としては現状は大阪市のもとに各区役所があり区長は大阪市役所からの天下りとのことです。よって区長は地域住民ではなく、大阪市本庁の顔色を見て仕事をします。それを大阪市を解体して、大阪都のもとに区長をおきます。そして区長は住民の選挙で選びます。これも正しい組織体制だと思います。
そして重要なのは「公務員制度改革」です。今の日本の政治は霞が関の官僚が実権を握っており総理、大臣は単なるお飾りであることが問題です。
今回の大津市の教育委員会の問題にしても、文部科学省を頂点に都道府県教育委員会があり、その下に市町村教育委員会があり、その下に学校があるという組織になっています。なぜか教育に知事、市長が介入できないというおかしな組織になっています。これも官僚政治の弊害でしょう。
その他原発問題にしても「原発再稼働8条件」を大阪府市が提案しています。
国民の生命を守るための当たり前の条件ですが、今の国の原子力行政は、それすらできてないのが現状です。
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大阪府市の「原発再稼働8条件」
1)国民が信頼できる規制機関として三条委員会の規制庁を設立すること
2)新体制のもとで安全基準を根本から作り直すこと
3)新体制のもとで新たな安全基準に基づいた完全なストレステストを実施すること
4)事故発生を前提とした防災計画と危機管理体制を構築すること
5)原発から100キロ程度の広域の住民同意を得て自治体との安全協定を締結すること
6)使用済み核燃料の最終処理体制を確立し、その実現が見通せること
7)電力需給について徹底的に検証すること
8)事故収束と損害賠償など原発事故で生ずる倒産リスクを最小化すること
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私はこの本を読んで、行政、政治に不勉強な自分を反省するとともに、本気で「公務員制度改革」にもかかわり、「原発問題」にしても国民全員が声を大にして「脱原発」を推進していかないと、日本という国はおかしな方向にいくことを危惧しています。
「国のしくみを変えていく」、「官僚政治の解体」について、国民1人1人が、より勉強していく必要性を感じます。
すべての日本国民に読んでいただきたい1冊です。
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