2013年09月11日
相手の心の窓を開くには、コンタクト回数が重要です
一度の会合で4回のコンタクト
お客様の心を開く二つめのポイントは、「コンタクト回数を増やす」ことです。
もてる男の人は女性に対してマメだと言います。機会を見つけて電話をしたりメールをしたりする。相談に親切にのる。話を聞いてあげる。誕生日にプレゼントをする。旅行に行ったらお土産を買ってくる。
このように、好きな女性を振り向かせるにはマメさがなくてはならないと言われます。
これと同じで、お客様も一、二度会っただけでは、心の窓を開いてくれません。できるだけコンタクト(接触)の回数を増やすことが大事なのです。コンタクト回数が増えるにしたがって、お客様は親しみを感じ、心の窓を開いてくれるようになります。
ここで大切なことは、コンタクト回数イコール訪問回数ではないこと。1回の訪問のなかでもコンタクト回数を増やすことができるのです。
たとえば、お客様を会社に招いて打ち合わせをするとします。
まず、会議室で名刺交換をして挨拶や軽い雑談をします(コンタクト回数1回)。
そこで、「では、企画書をお持ちいたします」と言って会議室を出て、企画書を持って戻ってきます(2回目のコンタクト)。
その企画書を手渡しながら、「お飲み物は何がよろしいでしょうか」と尋ねて、「では少々お待ちください」と言って席を外し、企画書に目をとおしてもらっている間に、コーヒーなりをお持ちします(3回目のコンタクト)。
ここで企画書の説明を行って、「ところで、昨日、特別リベートの条件を上に上げていたのですが、その答えが出ていると思いますので、それをとってまいります」と言って部屋を出て、また戻ってきます(4回目のコンタクト)。
このように1回の会合のなかでもコンタクト回数を増やすことができます。
もちろん失礼にならないように気を配らなくてはなりませんが、覚えておきていただきたいのは、3時間1回会うより、1時間3回会うほうが、親密度が上がるということです。コンタクト回数が多ければ多いほど契約率が上がることも覚えておいてください。
コンタクト回数のエピソードを一つ紹介します。
私が営業課長時代、部下の営業マンのA君の「心の窓」を開こうと思いました。
振り返って考えてみると、A君とは、廊下ですれ違ったときも無言でお互い視線をそらしていました。
私はまず、廊下でA君とすれ違うとき、笑顔で声かけをはじめました。「今日はいい天気だね」「調子はどう?」「A君、何かあったら気軽に相談してね!」という具合です。帰るときも、A君のところへ行き、「お先に失礼するね」と笑顔で言いました。
一カ月すると、A君に変化が出てきました。
課長の私のデスクにA君からやってきて、「課長、実は昨日の商談が、こんなにうまくいったんです」「ある得意先の関係で悩んでいることがあるんですが……」等の報告をしてくれるようになりました。今までは、A君から積極的に私のデスクに来てくれることはほとんどなかったのです。
これは、コンタクト回数の声かけの実践例であると思います。継続して、笑顔で声かけを実践したことで、A君の「心の窓」が開いたものと考えています。