2013年10月14日
組織のリーダーは、自責(自分の責任)の精神が重要。P&Gの元社長ダーク・ヤーガーの一言。

私がP&G営業本部に入社したのは、1987年。そのときの日本の社長は、ダーク・ヤーガー氏。彼はオランダ人で、柔道が強いがっしり型の体型の迫力のある男であった。
言うまでもないが、組織のリーダーは、自責(自分の責任)の精神が重要である。
ビジネスの成果がでないことを、他部署の責任にしてはいけない。
私が聞いたP&Gの元社長ダーク・ヤーガーの一言を紹介したい。
ヤーガー社長が日本に来た当時は、日本でのP&Gは、苦戦をしいられていた。
売上は低迷、組織も活性化しない状況。
日本の社長になったヤーガーが各本部の責任者をあつめた会議でのこと。
日本市場で何故売上が上がらないかというポイントの発言において、
マーケティングの責任者は、営業が悪いという。営業が売れないのが理由だと。
営業はマーケティングのTVCM、企画が悪いという。
製品開発は、工場の品切が問題だという。工場は製品開発が悪いと。
要は、各本部の責任者は、他本部が悪いということを言いたいのだ。これを他責(他人の責任にすること)という。
社長のヤーガーは、各本部の責任者の発言が終わったあとに、一言発言した。
「責任者の皆さん、私が今回日本の社長で来ましたが、これからは、誰が悪いとか、どの本部が悪いという話は一切聞きません。私には言わないでください。
P&Gの日本のVisionは、よい製品を発売して、お客様を笑顔にすることです。
日本のお客様に満足いただける製品を開発します。そしてそれをマーケティングして店頭に並べます。多くのお客様に笑顔で、製品をお買い上げいただくことです。
これからは、社長の私へのレポートは、日本のお客様を笑顔にするには、どうすればよいか? そのレポートのみを上げてください。それ以外の話は聞きません。」
この社長ヤーガーのもとで「一大飛躍」というプロジェクトを立ち上げ、P&Gの日本での売上は飛躍的に伸びていきました。
これがリーダーシップであり、Visionです。
組織を引っ張るリーダーの皆さんは、明確なVisionを描き、その実現のために全力で行動してください。他部署の悪口を言っている時間はないはずです。
これが強い組織を構築する第一歩です。
今日から実行ください。
小森康充