2014年02月22日
「勝ち抜く力」猪瀬直樹著 (PHPビジネス新書) なぜ「チームニッポン」は五輪を招致できたのか おすすめ書籍の紹介
「勝ち抜く力」猪瀬直樹著 (PHPビジネス新書)
なぜ「チームニッポン」は五輪を招致できたのか
を読んでいる。2020年東京オリンピックを勝ち取った招致成功のポイントが、書かれておりたいへん面白い。
東京オリンピックは、東京都知事の猪瀬直樹氏のリーダーシップの成果であると言っても過言ではない。
本書にかかれている成功ポイントは、ビジネスの実践でも活用できるものである。
得意先の説得に活用いただければ仕事上も大きな成果につながるであろう。
成功のポイントは、情報力、交渉力、プレゼン力、おもてなしの力、等がポイントであるが、猪瀬東京都知事に明確な目標と戦略があったことが、本書より理解できる。
著者の猪瀬直樹氏は、作家。
1946年長野県生まれ。87年「ミカドの肖像」で第18回大宅壮一ノンフィクション賞、96年「日本国の研究」で文藝春秋読者賞を受賞。
2002年小泉政権下で道路公団民営化推進委員、道路公団の民営化を実現。
06年東京工業大学特認教授、07年東京都副知事、12年東京都知事、
著書に「ペルソナ 三島由紀夫伝」(文集文庫)、「昭和16年夏の敗戦」(中公文庫)、「突破する力」(青春新書)、「決断する力」(PHPビジネス新書)等がある。
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第一章:ロンドンの記者会見
第二章:IOC評価委員会の来日
第三章:ニューヨーク出張
第四章:サンクトペテルブルクスポーツアコード会議
第五章:ローザンヌテクニカルブリーフィング
第六章:ブエノスアイレスIOC総会
第七章:2020年に向けて新たなスタート
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私が勉強になったポイントは、
1:明確なアピール力
ロンドンから記者会見する重要性
開催都市を決めるのは、100余名の国際オリンピック委員会、この中に日本の委員は、竹田日本オリンピック委員会会長ただ1人。
アピールポイントは、東京都の強固な財政。4000億円(45億ドル)の準備基金がある。
世界有数のインフラ:1日2600万人を運ぶ交通網、大会会場近くまで整備された高速道路
東京都の年間予算は12兆円(1340億ドル)でスウェーデンの国家予算に匹敵
2:「おもてなしの心」は世界にない日本だけの文化
ハーバード大学教授のサミュエル・ハンティントンは、「文明の衝突」の中で世界の文明を7つに分類。日本は、中国、韓国の儒教圏とは別の、独自の文明圏と位置づけた。
世界1時間に正確な鉄道網。
綺麗な公衆トイレ
ミシュランの星が、本家パリより多い
財布を落としても現金が入ったまま帰ってくる
東日本大震災で世界が驚愕した助け合いの精神。
これらは、すべて世界1のすばらしい日本文化である。
このような安全で正直、誠実な国民性は、世界に類をみない。
我々日本人はもっと、自信を持てばよい。
3:オリンピック招致レース成功のポイントは、情報の集積と中枢機能の集約。
プレゼンテーション力、人脈の活用。
これらをもとに手の込んだ作成を実行していくこと。
官僚の縦割り行政が障壁になる。これはリーダーシップをとって中枢機能を作ること。
この猪瀬氏が実行したことを今までの政府ができていない。
4:数字で説得力を持たせる。
ロジック(論理)、ファクト(事実)、マス(数字)が相手を説得するポイント
「東京は安全だ。」→「財布を落としても、年間30億円が手元に帰ってくる」
「交通網はうまく繋がってます」→「電車が3分間隔で動いているので大丈夫です」
このようにプレゼンテーションに数字を入れることで説得力が倍増する。
5:横田基地の軍民共用化
首都圏の空港容量はあと10年で満杯
米軍の横田飛行場を民間で使用できるようにすると、問題が解決する。
首都圏には、羽田、成田、横田の3空港で、人、物を運んでいく、自家用ジェットも離着陸できるようにする。
すばらしいアイデアである。しかしアメリカが日本に航空主権をわたさないという占領政策がいまだに続いているという。
まことにバカでた話である。アメリカを説得できない外務省もボンクラであるが、日本に飛行機を持たせたら怖いという感覚がアメリカにあるという。
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「勝ち抜く力」猪瀬直樹著 (PHPビジネス新書)
なぜ「チームニッポン」は五輪を招致できたのか
すべてのビジネスマンに読んでいただきたいおすすめの書籍である。