2023年01月12日

決断力向上の秘訣4)Objective Mind 実践例!

P&Gに入社した当初、新米営業の私はObjective Mindなど持ち合わせていませんでした。

得意先を訪問するときにも、上司から「小森君、今日の営業の目的は何?」と尋ねられて、何も言えず言葉につまっていました。目的など持ってないからです。上司から「得意先を訪問しろ」と言われたので、その通り、訪問しようとしただけです。
上司も不安になったのでしょう、私が答えられないでいると、続けて聞いてきました。
「目的、あるだろう。何の目的もなく訪問するのかい?」
「えーと、パンパースの新製品を紹介しようと思っています」
私は苦し紛れに、そう返すのが精いっぱい。
すると上司は、さらに畳みかけます。
「何ケース提案するの」
「何ケースですか? 決めていません」
「では、いま決めなさい」
「えーと、では100ケースでいいですか?」
「いいも悪いも100ケースの根拠は何ですか?」
「根拠ですか?」
また答えられない。勢いで言っているだけで、根拠などないからです。

その様子を見かねた上司が私を誘導してくれました。
「その得意先は1カ月に何ケースぐらい紙おむつを売るの?」
「全部で300ケースぐらいだと思います」
「トップブランドはどこ」
「花王のリーズでしょうね」
「ではメリーズは月間何ケース売れていますか」
「200ケースぐらいだと思います」
「では小森君、聞くけど、メリーズだけで200ケース売れるなら、パンパースも200ケースぐらい売れていいはずだよね」
「なるほど、そうですね。では頑張って200ケース提案します」

上司に誘導されて、私やっと本来の目的にたどり着くことができました。
もし、最初の段階で、何の目的も持たずに取引先を訪問していたら、注文がもらえないか、もらえたとしてもお付き合いで30ケースぐらいが関の山だったでしょう。
次に、私が何となく決めた100ケースという目標で臨んだ場合、そもそも「100」という数字に根拠はないから、説得力もありません。「100ケース買ってください」と提案したときに、相手に「なぜ100?」と聞かれても返す言葉がないのです。
その点、200ケースには根拠があります。「品質では決して他社に劣っていません、CMもやっています。だからうちもチャンスをください」と交渉できるわけです。

これが、Objective Mindです。

具体的な数字を根拠に考えること、これが重要になります。

目標設定の原則「具測達一」のポイントにつながります。
「具測達一」とは、目標は具体的、測定可能、達成可能、一貫性のあるものにするということです。







小森コンサルティングオフィス at 11:00コメント(0)決断力のマネジメント   このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
小森康充
営業トレーナー:小森康充

小森 康充
(こもり やすみつ)

小森コンサルティングオフィス代表
人材育成トレーナー

高い営業能力と顧客コミュニケーション能力により常にハイレベルな売上目標を達成。

世界的エクセレントカンパニーにおいて、アジアパシフィック最優秀マネージャー等数々の表彰を受ける。

後に世界No.1サクセスコーチであるアンソニー・ロビンズのコーチングスキルを習得。

卓越した営業スキルに世界No.1のコーチングスキルをミックス。独自のスキルを確立。

小森コンサルティングオフィスオフィシャルサイト

カテゴリー
月別アーカイブ
Feed
RSS
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ