2023年01月22日
「具測達一」の目標設定の原則の「一貫性」とは
「具測達一」の目標設定の原則の「一貫性」とは
マックスファクター化粧品を、あるショッピングセンターの化粧品売り場で売上1位にするという目標を達成できたのはなぜでしょうか。
さも私がやったようなことを言いましたが、実のところ、成し遂げたのは私ではなく現場の従業員です。
私がやったことは、現場の声を救い上げ、彼ら、彼女たちが本当に成し遂げたいことを具体的に目標設定したまでのことです。
たった1カ月だけでもいいから、資生堂を抜きたいというのは、私の独りよがりのビジョンではないということです。
みんな口には出さないけれど、悔しい思いを持っていたのです。マックスファクター化粧品は、品質や品揃えでは決してライバルに劣っていないのに、日本ではどうしてもブランド力が弱い。マックスファクター化粧品のよさをもっと多くの人に知ってほしいというのが、彼ら彼女らの願いでした。
そうした気持ちに火をつけたことで、現場が自発的に盛り上がってとてつもない目標を達成したのです。
もう一つ、重要なことは、なぜヒト、モノ、カネが集中できたかです。
これらは、当然ながら会社の許可なく勝手に動かせるわけではありません。たとえ現場が求めていることであっても、会社のルール、経営方針、事業計画の範囲を超えて現場を動かすことは許されないわけです。
したがって、会社方針と一貫性のある目標設定が前提になっていなければなりません。それでこそ、会社の支援、上司の理解、同僚の応援を受けて、ヒト、モノ、カネが動かせるわけです。
そもそも、会社が考えた営業戦略は、大きな時代の流れ、マーケットの動き、自社の持っている強み、ライバルの動向などいろいろな情報から導き出された最適解のはずであり、全社員がその方針に沿って行動することによって組織力が発揮されます。会社方針との一貫性を持たせることによって目標が達成しやすくなるのが道理なのです。
とはいえ、会社の方針をただ単にそのまま現場に支持するだけでは能がありません。現場の求めていることと、会社方針の一貫性がとれた目標設定によって始めて、現場の最大の力が発揮されるわけです。