2008年11月01日

リッツカールトン大阪のタコヤキの話 5

リッツカールトン大阪での実話である。

夜中の2時くらいにあるお客様からルームサービスに電話が入った。

お客様からの注文は、「大阪名物のタコヤキが食べたい!」というものであった。
ところがリッツカールトンのルームサービスメニューには、「大阪名物のタコヤキ」はないのである。
普通のホテルでは、「お客様、申し訳ありませんが、当ホテルのメニューにはタコヤキはございません。」と言うはずである。

ところが、林田さん率いる天下のリッツカールトン大阪は、「お客様への感動サービス」「Noと言わないサービス」を理念に掲げている。

電話を受けたルームサービスのスタッフは、Noと言わなかった。
「お客様、たいへん申し訳ございませんが、当ホテルのメニューには、タコヤキはございません。
しかし、もしよろしければ、30分ほどお待ちいただいてもよろしいでしょうか?今から私がタコヤキを買い求めまして、お部屋までお運びさせていただこうと思いますが、よろしいでしょうか?」

お客様のOKの返事を聞いて、そのスタッフは、大阪の紳士の社交場、北新地まで歩いて行き、タコヤキを購入、部屋に届けたのである。

「Noと言わない感動サービスのタコヤキのうわさは、そのお客様から、すぐに広まった」

元リッツカールトン大阪 営業総支配人の林田さんは言う。
「真の気配りとは、お客様に感動を与えるサービスとは、お客様のご期待を超えたサービスをさせていただくことだ。
そこには、サプライズ(驚き)がなければいけない。
お客様が、何かが欲しいと言われてから出すのはサービスでもなんでもない。お客様が言葉にされてない願望、要望を察知して出すのが真のサービスだ。」

また何故ビジネスに感動が必要か?
「感動は、余韻を生む。余韻を持つと、その話を人にしたくなる。そして人の話には尾ひれ、背びれがつく。リッツカールトンのサービスは、こんなに良い、の話が大きく拡大されて伝わるのである。この尾ひれ、背びれのついたお客様のうわさこそが、口コミ戦略である。」

後日リッツカールトン大阪のスタッフから直接聞いたことがある。
タコヤキの話が口コミで広がって、宿泊客が増えたことは嬉しい。
しかし1つ困ったことがあるという。
それは、「タコヤキの話、あれは、ほんまかいな〜(大阪弁)と夜中の2時くらいに、ルームサービスにタコヤキの注文をされるお客様がたまにいるという。」
そのスタッフは、「話は本当ですので、タコヤキのご注文は、できれば、ご遠慮願います。」とのことであった。

すばらし感動サービスに感謝である。

小森コンサルティングオフィス at 23:21コメント(2)トラックバック(0)成功   このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

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コメント一覧

1. Posted by リブウェル   2008年11月02日 21:00
林田さんの本を読んだことがあります。

「サプライズ」がもたらす効果ってすごいですね。

近々一度とまってみるつもりです。
2. Posted by Kevin(小森)   2008年11月03日 01:46
4 リブウエルさん
いつもありがとうございます。
そうですね。私も一番好きなホテルです。
感謝!

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小森康充
営業トレーナー:小森康充

小森 康充
(こもり やすみつ)

小森コンサルティングオフィス代表
人材育成トレーナー

高い営業能力と顧客コミュニケーション能力により常にハイレベルな売上目標を達成。

世界的エクセレントカンパニーにおいて、アジアパシフィック最優秀マネージャー等数々の表彰を受ける。

後に世界No.1サクセスコーチであるアンソニー・ロビンズのコーチングスキルを習得。

卓越した営業スキルに世界No.1のコーチングスキルをミックス。独自のスキルを確立。

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