枝野幸男

2013年01月05日

書籍「叩かれても言わねばならないこと」 枝野幸男(元内閣官房長官)著 東洋経済 おすすめ書籍の紹介

叩かれても言わねばならないこと。
叩かれても言わねばならないこと。


書籍「叩かれても言わねばならないこと」 枝野幸男(元内閣官房長官)著 東洋経済 を読んでいる。

著者の枝野幸男氏は、衆議院議員(埼玉5区選出、当選6回)、87年東北大学法学部卒業、88年司法試験合格、93年日本新党から立候補、96年民主党入党、内閣府特命担当大臣、経済産業大臣を歴任。
著書に「小沢一郎日本改造計画への挑戦状」、「それでも政治は変えられる」(マネジメント社)、「事業仕分けの力」(集英社新書)、他がある。

この本は、3.11の東日本大震災当時、内閣官房長官であった枝野幸男氏の福島原発事故の内容から、脱近代化へ進む日本の問題点、未来を語っているものである。

第0章 3.11という最後通牒

第一章 負の再配分と成熟した豊かさ

第二章 脱原発依存への道

第三章 安心社会による活力

第四章 生き残りの新戦略

第五章 覚悟を決める政治

という章立てである。この本のすばらしい点は、枝野さんの経験からの事実、本音が語られている点である。

私のチェックポイントは、

1)政府の危機管理能力のなさ
自民党から民主党への政権交代の中で、過去の政府がいかに大震災のリスクマネジメントができてなかったか。原発事故のマニュアルもなければ、東電と政府、経産省のホットラインのコミュニケーションラインも何もできていなかったこと。

2)役所のコミュニケーションのスピードに問題あり
役所経由では、コミュニケーションが迅速に伝わらない。3.11の「帰宅するな」という会見は、枝野長官とJR東日本の社長が電話で直接話して決定。「今日はJRが動くか動かないか?」この返事が役所経由では伝わらないというおそまつさ。

3)情報発信の3つの原則
1)一般の国民が聞いても分かる言葉を使うこと
2)発表する際は、同時に官邸にも情報を入れること
3)分からないことは、分からないと明確に言うこと

3.11事故において、この基本のできていない保安院、東電の会見に失望した読者諸氏もおおかったと思う。
私も3.11当時、保安院、東電の記者会見を何度も聞いたが、何を言っているのかさっぱりわからなかった。

プレゼン能力がないのか?何かを隠そうとしているのか?両方なのか、どちらにせよ記者会見をするプレゼンターは、プレゼンテーションの基本のできている方にしてもらうことが最低限の原則である。

4)脱原発を郵政改革にしてはいけない
福島原発事故からのラーニングで、危険な原発をやめることは国民の総意であろう。諸外国に比べ日本は、津波、地震のリスクが格段に高い。地震大国の日本で原発など作ってはいけなかったのである。ところが自民党政権にて危険な原発を54基も作ってしまった。原発はコストが安いと我々国民はウソを聞かされてきた。除染、賠償、廃炉の費用だけでも、他のどのエネルギーよりも高くつく。いかに早く自然エネルギーに転換するか?そこがポイントである。

5)世界の動向は、産業革命期から石炭→石油→天然ガス→原子力を経て21世紀は自然エネルギーである。
ところが政府の危険な原子力政策のため、日本は自然エネルギーの開発が遅れてしまった。官民をあげての自然エネルギーへのシフトが必要である

6)日本ブランドは世界最高(海外にチャンスあり)
日本のコシヒカリは、シンガポールで3倍の値段で売れている。
東南アジアの金持ちが、高くても日本ブランドを買う。パリでは日本の寿司が大人気。日本人の「おもてなし」の精神がブランドになる。日本人はもっと海外に出て行って、日本ブランドを売り込めばよい。日本ブランドは、外国人からの評価は最高である。

7)テレビ政治は終わった
政治家の一部の行動、コメントを切って報道するテレビ、新聞の報道姿勢に問題あり。
まさに木を見て森を見ず。
我々国民は、新聞、テレビの報道で、いろいろな事柄を評価していくが、どうも報道機関というのは、意図された方向に国民をもっていこうとするところが多すぎる。全体の政治家のスピーチを見るとなんでもないことが、一部のコメントをクローズアップして流すことにより、我々が理解する政治家への主旨、印象が大きく変わってくる。

正直、誠実な報道をマスコミは心してほしい。枝野氏の本の内容からもそれがよくわかる。

海外からは日本の評価は、「国民一流、政治は二流、マスコミ三流」といわれているそうである。

東日本大震災でテロ、暴動がなく、日本国民が助け合って、行動する姿は、世界に感動を与えた。
しかし政治のつたなさ、リーダーシップのなさは、二流と評価されている。これは自民党も民主党も同じである。

そして福島原発事故で真実の報道をしなかった日本のマスコミは、政治家よりも低い三流の評価である。

我々日本国民が心しないといけないのは、日々見ている日本の新聞、テレビの報道は、世界から見ると三流であるということである。

時代はフェイスブック、ツイッターのインターネットである。インターネットで直接正しい情報を取りに行くことが重要である。流される情報には、国民を先導しようという何者かの意図が潜んでいることが多いものである。

書籍「叩かれても 言わなければならないこと」 枝野幸男著 東洋経済 たいへん勉強になるおすすめの書籍である。




小森コンサルティングオフィス at 17:21コメント(0)トラックバック(0)  このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック
小森康充
営業トレーナー:小森康充

小森 康充
(こもり やすみつ)

小森コンサルティングオフィス代表
人材育成トレーナー

高い営業能力と顧客コミュニケーション能力により常にハイレベルな売上目標を達成。

世界的エクセレントカンパニーにおいて、アジアパシフィック最優秀マネージャー等数々の表彰を受ける。

後に世界No.1サクセスコーチであるアンソニー・ロビンズのコーチングスキルを習得。

卓越した営業スキルに世界No.1のコーチングスキルをミックス。独自のスキルを確立。

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