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2023年01月09日
決断力向上の秘訣より 1)失敗しない判断軸〜Do the right thing
決断力向上の秘訣より
1)失敗しない判断軸〜Do the right thing
1)失敗しない判断軸〜Do the right thing
リーダーシップを発揮するときに最も重要なスキルの1つに決断力があります。
そのポイントについて紹介します。
なぜ迷うのか、なぜ決められないのかというと、一つのものごとを測るときに、軸がたくさんあるからです。
たとえば、損か得か、好か嫌いか、安全か挑戦か、やりたいかやりたくないかなど、事物にはいろいろな側面があります。そうした側面を一つひとつ見てしまうから、決められなくなるのです。
損か得かで言えば得だけど、好きか嫌いかで言えば嫌いだといったように、軸が変われば見方が変わってしまうからです。
するとこの場合、損得をとるか、好悪をとるかという軸の選択になってしまいます。
このように、物事の判断を迫られたときに、軸の選択をしてしまうために、その時々によって判断がぶれて安定しないのです。
解決策は単純です。もっともベースとなる判断の軸を一つに固定することです。
これによって、素早く明快な決断が可能となります。
たとえば、私の知人で、「付き合う人を、自分にとって得になる人かそうでないかで決める」という人がいます。それがいいか悪いかはさておき、その人の判断は素早くて、明快であることは事実です。
出会った人と「何となく」で付き合ったりしません。自分にとって得になると思えばとことん付き合うし、そうでないから関係をすっぱり絶ちます。結果として、その人の周りには、損得勘定で惹かれあった人たちだけが集まることになります。本人が望んだ通りの結果がもらされているわけです。
損得勘定だけで結ばれた関係をよしとするかどうかは人によります。つまり、どのような判断の軸をベースにするかは個人の価値観や哲学によるものなので、善い悪いは基本的にありません。自分で決めればいいでしょう。
とはいえ、企業の中で働く従業員の立場で考えた場合、みんながみんな、それぞればらばらの基準をもっていたら組織として統一性が損なわれます。また、ビジネスの場面ではそれにふさわしい判断基準というものがあります。
では、ビジネスの場面では、ベースとなる判断軸を何にすべきでしょうか。
私がいまから30年ほど前、P&Gに入社し、最初に教わったのが「Do the right thing」という判断基準でした。
仕事をしていると、上司がいつでもそばについてくれているわけではないし、いま自分が決めなければならない、という場面がよくあります。
特に、私は営業だったので、一歩外に出れば、自分が会社の代表としていろいろな人と接しなければなりません。そのようなときにも判断を誤ったり、ためらったり、迷ったりしないための原則が、
「Do the right thing」だと教えられました。
「Do the right thing」だと教えられました。
日本語で言えば、「正しいことをしろ」ということになります。
ビジネスなのだから、損得、つまり、「儲かるか儲からないか」がベースの判断基準になりそうですが、そうではなく、根本的には、正しいか、正しくないかで判断せよというのです。